ゆれる(ネタばれ)

葬式で帰京した弟
故郷で実家の店を継いで暮らすものすごい人の良い兄
その店で働く二人の幼馴染の女性。


弟は幼馴染の女性と昔から男女関係にある。
兄は幼馴染の女性に好意を抱いている。
が、弟と彼女の関係に勘づいてもやさしく知らないふりをしている。


そんな中、兄が彼女と吊り橋の上で揉み合った結果、彼女が吊り橋から落下してしまうのを目撃する。


弟が「どういう光景をみたか(兄が付き落したのか、不慮の事故転落なのか)」は最後の方まで明かされない。

弟は彼女とそういう関係にあったにもかかわらず、
自分の兄をかばって「何も見ていない」と言い通し、
兄のために弁護士を立てるなど動き周る。



転落時の事実は見ているほうにも隠されたまま、罪悪感に駆られた兄が自首し裁判へとドラマは進む。



裁判の合間に面会した兄弟。
人の良い、弟にいつも優しい兄が弟に、お前だって俺の事を疑ってると言う。
弟は、なんで俺が自分の兄を疑わなければならない、と激昂する。


兄が、静かに言う。
「初めから人の事を疑って、最後まで一度も信じたりしない 
そういうのが俺の知ってるお前だよ」



ああもうなんか、グサっとくる・・・
俺は今までホントに人を信じてきたのだろうか、と考えると自嘲してしまう。。


弟はこの後、兄が突き落したのを見た、と証言し、
兄は刑務所に入る事になるが、これが実は嘘で、兄は彼女を突き落してはいなかった。

服役を終えた兄を迎えに行くのを拒否する弟。
しかし、幼い頃の兄との思い出の映像を見て号泣する。
自分が証言したのと異なる事実を再認識し、自分の嘘の証言だけでなく、それまでの兄弟の関係でなされた結果をも再認識する。

弟は、兄を迎えに行く。

刑務所ではすれ違ったものの、帰り道の途中で向かいの道路を歩く兄をみつけて弟は泣きながら叫ぶ。



兄ちゃん、うちに帰ろうよ



兄は弟に気づき、静かに微笑む。


ここで映画は終わり、二人の関係がどうなったかは分からない。

でも、過ちをお互いに再認識し、反省し、再会を果たした人達は

きっとまたわかりあえるんじゃないか、って青臭く考えてしまう。

それは血がつながってるとか、関係なく、ね。