つまんない映画特集(おおいにネタばれ)

原作を読んで映画館へgoしました。



時給11万2000円のバイトに応募した連中が
推理ものの定番である閉ざされた館で
殺し合いを演じる、
というお話。



期日は7日間。

各自には個室と1つだけ武器(各人によって異なる)が与えられ、夜の出歩きは禁止。

館には「ガード」と呼ばれるレール移動式のロボットがいて、夜の見回り(部屋を出たものにペナルティを与える)や、犯人の逮捕(監獄室行き)、死体の移動などを行う。

その中で人を殺した場合や、その犯人を指摘した場合、等複数のシチュエーションに対して
獲得金額が何倍かになる、というのがおおまかなルール。



7日間何もせずに過ごしても賞金は得られるのだが、やはり殺人が起こってしまい、
原作では、各人の心理戦、頭脳戦が展開され、
なかなかの緊張感。



しかし結局犯人の計画がなかなかに運任せなとこもある上、動機なども割と安易だったため、



読んでてちょっと「フライトプラン」を思いだしていたので、


映画に関してはやはり期待は持てないな〜と思っていたのですが、

やはり予想を上回る出来でした・・・




原作へのツッコミは置いといて、映画化されたモノへの批評としてツッコミどころをあげていきます。
ありすぎて全部は書ききれなそう・・・


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映画は私物の持ち込み制限無し 

原作では、「化粧品はオーケー」というスキマを縫って犯人が自分の「武器」偽装、ってのがポイントであったが、制限ないならやりたい放題じゃん・・・この時点で不安いっぱい。。。




犯人間違えにペナルティ無し

殺人を犯したとされる犯人を逮捕(監獄室行き)するには、
探偵役が推理を展開し犯人を指摘した後、それが正しいと思うかの多数決をとり、
半数以上の賛成で犯人確保となる。

原作では、多数決成立後もそれが間違っていた場合には賞金が減額されるため、探偵役も慎重になる。

が、映画だとこのペナルティがないため、
「とりあえず誰かを犯人に指摘して、過半数通ればよい」という安易な考えのもと、
ロクに調査もせず即推理開始、適当な推理の後多数決、
その場の恐怖ゆえの感情的に賛成しまうもの、探偵役とグループを組んでいるため無条件に賛成するものがいるため、
あっさり犯人検挙。

いやもうこれ、推理ものでもなんでもないじゃん。。。




登場人物(館でのゲーム参加者)が少ない。(+バカばっか)

原作は12人、映画では10人となっていて、
時間の関係上しかたないのかな、と観る前は納得してたのだが、意外とこれはネック。

まず、先に言った多数決があっさり通りやすい。
一回の殺人+犯人でもう残り8人。(犯人に票はない)
最初に探偵役をした奴はカノジョ(無条件にカレシに賛成)も一緒に来てるので、あと2人が賛成すればもう半数。。(あ、探偵役に票がある点も原作とは違う点か・・・)


その後トントーンと殺人、自殺が続いて、推理とか無くあっと言う間に残り4人(+監獄に一人)。。


なにが問題かっつーと、
この中に殺人者がいるかもって状況で、
残り4人になってさぁどうする?

ってのにこいつら仲良くたむろして行動してやがる。。。緊張感まるでなし・・・


原作では殺人防止のために3人組行動を基本とするなど、当たり前だが「犯人と一緒にいたら危ない」って観念があったのに、それが全く欠如している。。


その4人のうち1人が、先に1人殺していたことがばれた後ガードに殺されて残り3人(+監獄に1人)。
ここで最初の殺人もガードによるものだと発覚。


しかしガードに殺された人数と、犯人が既に明白な殺人の数を足してもまだ合わない状態だというのに、

3人は普通に仲良く行動。。。
あほか!!
(結果的にはこの中に殺人者はいなかったわけだが、結果論)





館内での殺人の容認がない

原作において、この館内での犯罪行為については外界に出た後も一切伏せられる、という前提があったため、
このゲームにおいて犯人も賞金(犯人ボーナスがもらえる)のために殺人を犯す気にもなったはず。

映画にはその前提がない。。


その中で簡単に殺人を犯すか?


なので映画の中での補正としては、
殺人を犯した者はそれぞれ金のためではなく、
相手が殺人者だと思いこんで殺した等のその場の一時的な感情のためや、
一人に至ってはただの快楽殺人者。

これで「賞金のためでも人を殺す」事はないという事は成立したものの、

これだとそもそも「高額時給下でのゲーム」とか「ボーナス」とか金がかかってる意味があまりなくね?

もうなんか主旨すら取り違えてる感じ。。。


しまいには、館での様子は実はネット配信かなんかされてて、街の人々がその殺人の様子を携帯とかで見ている、っていう始末。。。


警察は何をやっているww



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他にも、
各自の武器に示された文章や引用の推理小説のタイトルがなんの意味もなかったり、
7日間の途中でも脱出できる秘密の通路がなかったり、
等も異なる点ではあるが、まぁもはやツッコミきれないので良しとする。。


あぁあと、映画ならではのツッコミというと、
7日間何させられるかわからないというのに、
石原さとみがヒールの高い靴を履いて来てたのがアホくさすぎて印象深かったわ〜



もうなんか全体ひっくるめて、
心理描写とか知的な行動とかが皆無だったことは、

サスペンスだかミステリーだかをただのパニックモノに変更してしまったっていうことだよね〜
残念。。。