花とアリス

岩井俊二監督作品。
鈴木杏演じる「ハナ」と、蒼井優演じる「アリス」という二人の女子高生の物語。



中学時代、通学の電車でみかけた高校生、宮本に一目ぼれしたハナはいつも遠目で彼を眺め、カメラで隠し撮りをし、しまいには高校に進学するや彼が所属する落研に入部するにいたる。


ある日下校する宮本を、これまたストーカーのごとく後を付けていると、宮本が頭を強打して倒れてしまう現場に遭遇する。
ハナが話かけても意識が朦朧としている宮本。たしかに一瞬記憶喪失になったかのように見えた。
そこでハナは超名案を思いつく。

「私に好きだって告白した事も忘れちゃったんですか? 先輩、記憶喪失ですよ!」

実際には記憶喪失なんかではなかったのだが、そんなアホな事を信じてしまう宮本。


そしてハナと宮本のウソ恋愛が始るのだが、なんやかんやウソを上塗るため、ハナは親友のアリスを嘘の「宮本のモトカノ」にする。

それが運の尽き。微妙な三角関係になって・・・



とまぁ、話の大筋。

実際にハナみたいな女がいたら、ぶん殴ってやりたいぐらいウザイと思うが、鈴木杏の演技のたまものか、はたまた岩井俊二の見せ方か、全然ヤな女に見えずむしろかわいくすら見える。


アリスの方はというと、演じる蒼井優がどこか垢抜けてない感じがあり、初めにこの映画をちら見したときは微妙だったんだが、通してみてみたらこれまたすごくかわいく見えた。
特に、離れて暮らす父親とその父との思い出を、ハナや宮本との出来事にことあるごとに結びつけてしまうアリスはちょっと切なくって、それがまたかわいらしかった。


二人の何気ない会話、しゃべり方、しぐさなど、話の本筋と関係ない何気ないところもすごく味があっておもしろい。
ちゃんとキャラが出来ている。



普段邦画はあんま見ないのだが、こういう部分てやっぱ日本語を理解できる人間だからこそ感じれる、みたいなところだと思う。

それってステキ。