ブラック・ダリア

原作は、ジェイムズ・エルロイ
L.A.コンフィデンシャル」を含む四部作の第一部である。
といっても、「L.A.コンフィデンシャル」の登場人物で出てくるのは、ラッセル・クロウにビルから突き落とされそうになった、あの悪徳検事補くらいかな。


ストーリーは実在の殺人事件を題材に脚色されたものらしい。


主人公の刑事とそのパートナー、そしてパートナーのガールフレンドは奇妙な三角関係の生活を送っていた。

そんなところに、空き地に女性の惨殺死体が発見される。


この事件に狂ったように固執し、実際に狂気に駆られていくパートナー。

初めはあまり事件に興味が無かったものの、徐々にこの事件そして被害者「ダリア」にとり付かれ、「ダリア」に似ている女と関係を持つようになる主人公。


生前の「ダリア」を知らない彼らが、彼女によって人生を狂わされていく。。



映画では原作と違い、どうにも「ダリア事件」自体よりも、三人の関係や彼ら個人の事件に重きを置いている印象を受けた。

なにしろ「ダリア」の足跡を捜査する過程がかなりすっ飛ばされている。


そのせいで、捜査のクライマックスへ向けて徐々に盛り上がっていく感じではなく、
結果として、映画自体のクライマックスへの盛り上がりも良く分からないものに。


そしてなにより残念なのは、主人公が「ダリア」にのめりこんでいく様が、どうにもうまく表現されていない事。


このストーリーの肝であるはずなので、ここはきちんとして欲しかった。



総評として、
個人的には、映像でこのエルロイの世界を見れただけでも俺は満足だが、
映画単品で考えた場合、かなり物足りないものなのではないかと思った。



L.A.コンフィデンシャルは、原作も、かなり脚色された映画版も、
どちらも面白かった。


このブラック・ダリアもその辺を期待していたのだが・・・
なかなかそういった「原作ものの映画成功例」をお目にかけることは少ないようで。。