ハチミツとクローバー

これは原作とは別物である。

そう割り切って見ていないと、嫌悪感すら抱いてしまいそうだった。



ただ、オリジナルな展開と若干のキャラクターの違いに、序盤は抵抗があったわけだが、
中盤以降は割り切りに成功したため、
これはこれで意外に清々しいと感じるに至り、
結果的に自分の中ではあまり悪い評価ではなかった。



少し認めた要因の一つは音楽。
サントラで散々聴いた曲ですら、時に鳥肌が立った。
そもそも菅野さんの音楽を映画館の音響で聴くことなんてほぼ無いのだから。
挿入されるインスト曲、ヴォーカル曲、どれもそのシーンにぴったりで効果的だったと思う。



あとは、蒼井優が好きだから、というこれまた単純な理由。。
しかし、彼女は見事にはぐちゃんしてた。


事前に映画のキャストをパッと見た感じ、やはりはぐちゃんだけはどうしてもマッチしそうには思えなかった。
と言うよりも、あんなコいねーよ、と言ってしまえばそれまでだが。
でも、観てみると一番イメージにぴったりしてたのがこの蒼井はぐだった。
彼女の演技、しゃべり方だとか表情だとか仕草だとか、そういうところで外見的なギャップさえも埋まって見えた。


逆に外見は完全にマッチしてた真山くんや、あまり違和感のなかったはずの森田さんは正直がっかり。

最もこれは、演者よりも脚本のせいであるだろう。


初めに言った、ストーリーのオリジナル化、若干のキャラクターの変更などは、
時間内にまとめるための苦肉の脚色、ではないように見えた。

ただ、“ハチクロ”という“素材”を使って映画を撮っただけ。そんな感じ。


すでに多くのファンがついている、いわゆる“原作もの”って、
もっと慎重に扱われるべきだと思うなぁ。。。